映画『アクロス・ザ・ユニヴァース』を見てきた ● 井口吾郎
試写会にしては比較的大勢の入り。さすがビートルズというところか。
映画はミュージカル仕立て。最初は若干の違和感があるが、
だんだん登場人物のキャラや筋立てに曲がはまりはじめると、
物語は一気にテンションをあげて転がっていく。
いいエピソードと、見事にそれをリンクさせ絵柄にしていく手腕はさすが。
舞台の演出家だからこその緊張感、肉体をさりげなく使った画面構成がいい、実にいい。
で、もってもちろんのことなのだが、ビートルズの曲の良さ、
今回は特に「テロップとして読む歌詞」によって、その言葉の鮮度というか
エッジの立ち具合とか、もう煌めくジョンの詩人としての才能に惚れなおしました。
時代背景が67年~69年といったあたりなので、
どちらかというとジョンの曲が多く使われていた。時代へのコミット度合いの差か。
一方でポールは「Let It Be」「Helter Skelter」「Why Don't We Do It In The Road」
が実に効果的に使われている。
「Why~」って、すっげーカッコいい曲なのね。
ジョージは2曲、全員共作が1曲。
でもってラストがこれでもかってくらいマニア心をくすぐりながら、
曲のフレーズがここしかないでしょってジャストなタイミングで絵柄とシンクロする。
あれはなんにしても見事でした。
あ、意外とみんな気がついてなかったようだけど、ボノが怪演してます。
ジョー・コッカーは確信犯的な登場。
監督の選曲&曲使いのタイミング&アレンジのセンスは流石。
『アクロス・ザ・ユニヴァース』は8月9日(土)より全国ロードショー
0 件のコメント:
コメントを投稿