2009年1月28日水曜日

●毛皮夫人プロファイリング〔2〕(上)近恵

毛皮夫人プロファイリング〔2〕
43歳、外大卒、夫は大手製薬会社勤務 (上)

近 恵

昭和40年11月30日生まれの射手座。血液型B型。
住まいは都内板橋区の一戸建て。
趣味は映画鑑賞。
神奈川県茅ヶ崎市で生まれる。
ほどなく両親が離婚。
母親の実家である愛媛県松山市へ居を移し、以降高校三年生までをその町で過ごす。
小学校2年生の時、母親が再婚。弟が生まれる。
新田高等学校を卒業し、東京外国語大学へ進学、上京。
大学在籍中にサークル活動にて知り合った2歳年上の現夫と26歳で結婚。
大学卒業後中堅の商社に勤務するが、妊娠を機に退職。
夫は大手医薬品メーカー勤務、現在アメリカに単身赴任中。
子供は中学三年生の娘と中学一年生の息子。どちらも私立中学へ通っている。

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両親の離婚は彼女の人生に大きな影を落とす。当時離婚の理由は両親の口から語られることはなかったが、習慣の違いでロシア人である父方の両親とどうにもうまくいかなかったということを後々聞かされる。

離婚後、母の実家へ戻った当初、世間では離婚はまだあまり多くはなかった。しかも国際結婚となると尚更のことである。実家の松山は大きいとは言え地方都市。隣近所に肩身の狭い思いをして過ごしている母親や、母親をなじる祖父母。彼女はそんな中、愛想を良くする事で大人に心配をかけまいと生きる健気な子供であった。

数年後に母親は地元の有力者の分家筋にあたる旧家の息子と結婚し、ほどなく10歳年下の弟が生まれる。新しい父親は弟と分け隔てなく彼女に目をかけてくれたが、自分の居場所がないような思いで過ごす日々。中学生の頃テレビで見たフランス映画がきっかけで、どこか気だるいようなフランス映画に嵌まってゆく。

愛想はよく、友人も多かったが、同年代の中ではどこか浮いたような存在。友人は多いが、一人で過ごすことを好むような性格。自分のいる場所はここにはないというような思いはどんどん強くなり、東京の大学への進学を決める。


(明日に続く)

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