2009年2月6日金曜日

●さいばら天気 吟行という倒錯

吟行という倒錯

さいばら天気


ある句会にはじめて寄せてもらったときのこと。某公園での吟行句会。集合時間が決められていったん解散の自由時間、メンバーの皆さんがほうぼうに散っていく。ぶらぶら歩いていると、句会参加者のひとりが、声をかけてくだすった。

「そっち行っても、句材はないわよ」

え? ぶらぶら歩いててもダメなんですか? なんか鉱物探しみたいですねえ。

散歩好きの私は、「吟行句会」に参加しても、歩いているあいだは俳句のことは考えない。せっかくの散歩を、俳句に邪魔されたくないから。

俳人さんたちと散歩するのは楽しいが、いっしょに歩いて楽しい人となら、吟行でなくても楽しい。ひとりでも楽しい。 

吟行句会というものは、俳句をつくるために、どこかに行き、そこを歩く、というものらしい。

私は俳句もつくるが、どこかに出かけて、そこを歩き、それが俳句になることもある、という手順。まずは散歩があり、俳句があとから付いてくる。これは、俳句がまず目的としてある吟行とは逆。

吟行って、倒錯してるなあ、と思う。 


2 件のコメント:

  1. どんな脚本より面白い、今年何度目かの初笑いでした

    「そっち行っても、句材はないわよ」
    え? ぶらぶら歩いててもダメなんですか? なんか鉱物探しみたいですねえ。

    吟行って、倒錯してるなあ、と思う。

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  2. 薫さん、こんにちは。

    言ってくださった方は、ほんと、ご親切なアドバイスだったんですが、このセリフを聞いたときはびっくりしました。

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