2009年4月2日木曜日

●予知不可能 saibara tenki

ジョン・ケージ拾読:引用の断章 2/4
予知不可能

compiled by saibara tenki


実験的行為の本質とは何だろうか? それは単に、結果を予知できない行為である。したがって、音を、感情や秩序の概念を表現するためのものとして搾取するのではなく、むしろ、音がそれ本来の権利を取り戻すように予め決めてしまっておけばとても便利だ。
(「合衆国に於ける実験音楽の歴史」ジョン・ケージ:『音楽の零度』近藤譲訳/朝日出版社1980所収)

歴史とは、様々な独創的な行為の物語である。(…略…)いくつかの種類の独創性は、成功や美や観念(秩序の観念:例えばバッハ、ベートヴェン)等を伴っている。そして、唯ひとつ、そうしたものを伴っていない、言わば、まったく何も含んでいない種類の独創性がある。ところが、成功や美や観念等を伴った種類の独創性はすべて、普通によく見受けられるもので(…略…)こうした種類の独創的な芸術家達は、アントナン・アルトーが言ったように、自己宣伝に忙しい豚に見える。(同)




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