2009年4月7日火曜日

●目的を排除する saibara tenki

ジョン・ケージ拾読:引用の断章 3/4
目的を排除する

compiled by saibara tenki


作曲家ロジャーレイノルズによる1961年のインタビューより。
レイノルズ:(…)あなたにとって、今、音楽を書く目的は何でしょうか?

ケージ:私はよくこう言います。私は何の目的ももっていない。私は音を取り扱っているのです、と。(…)つまり、私は、目的を排除することによって、私が意識と言っているものが増大する、と考えています。ですから、私の目的は、目的を取り除くことなのです。
(「沈黙の思想」ジョン・ケージ:『音楽の零度』近藤譲訳/朝日出版社1980所収)
 
ケージ:(…)私は独自性という原則に心を奪われています。自己本位という意味での独自性ではなく、行なう必要があることを行なうこと、という意味での独自性です。明らかに、今行なう必要があることは、既に行なわれてしまったことではなく、未だ行なわれたことのないことです。(同)



ケージ:(…)私は他の問いを立てなければならないのです。つまり、無形式性などというものがどこかにあるのだろうか?と。殊に、望遠鏡や顕微鏡等がある今日では、私の画家の友人のひとりであるジャスパー・ジョーンズが言うように、「世界はとてもごちゃごちゃしている」。形はあらゆるところにある。(同)

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