〔俳誌拝読〕
ぶるうまりん
第11号(2009年4月30日発行)70頁
須 藤徹氏が編集・発行。同氏による編集後記に、2008年12月、第10号をもって5周年を迎えた旨。「私がこの五年間で努力したことは、何よりも作品中心 の会にすることで、そのためにひたすら句会を運営してきた」とある。今回拝読した第11号も俳句作品を多く掲載。須藤氏による巻頭40句、特別作品30句 が2つ、同人9氏が20句ずつ。
作品傾向(という言い方自体ざっくりとしすぎて不本意だが)は、伝統俳句か現代俳句かでいえば明らかに後者、「俳」か「詩」かでいえば後者。無季の句も多い。以下、何句か気ままに。
はっけよいああ白居易を脱臼し 須藤徹
猫みかん三日月うるうる 野谷真治
広辞苑くる日くる日も蜻蛉のやう 浅井一邦
冬蚊とぶ延床面積の右側 杉山あけみ
あじさいの末枯れ俳句のスイッチバック 平佐和子
上に掲げなかったが、あえて、だろう、生硬にドラマチックな仕立て、現代詩・現代俳句に頻出する概念語、主情的な語を思いきりよく盛り込んだ句も多い。
俳句作品のほか、巻頭近くに特集「芭蕉の晩年」。ゲスト執筆者を含め4氏の論考。
小野裕三氏による『ぶるうまりん第11号』評は≫こちら
須藤徹氏のブログ「渚のことば」は≫こちら
(さいばら天気)
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