2010年3月3日水曜日

●雛の日 robin d. gill (敬愚)

雛の日

robin d. gill (敬愚)


可愛いも初心の内ぞ、雛祭り
可愛いで生きる権利を今日守る
キュットが悪口になる世にこの日
世の中のデカイモノ禁止、女子の日
桃酒飲む爺婆とちびっ子しかいない日
さんざんに言われて何時からキュット忌
アニメよりいいものあったを、ひなまつり

二、三十年前、クラシック音楽ばかり好きお鼻が高い米保守派コラムニスト George Will が、米カントリ・ミュージックを誉めこけたが。楽観主義一辺倒のアメリカで、絶滅寸前の人権、the right to be unhappy 不幸せに生きる権利を、みごとに守りきっているのは、失恋のみならず、日常の暮らしの辛さをしみじみと歌う涙頂戴カントリーばかりではないか、と。不景気の今では、この人権こそ米にも無事でしょうが、cute で生きる、cute を好き、cute を敬う、cute を崇めることは、ゲイばかりの専権となりがち。可愛いっくていいではないか、と堂々いう大人は少ない。ということを、数年前から、毎年の雛祭り、思う。

こっそりと押入れを出る女子の日

思えば、日本は世界のキュットの御都だ。そのために、日本は好き、又嫌い。大学と企業のウェブサイトを廻れば、線美まったくない無味乾燥の経理学向きなフローチャットか、二、三才の子供しか喜ばないアニメっぽいごちゃごちゃしかない。前者で吐け気になり、後者で悲しくなる。キュットが、あるべきした人形の棚から出歩いては、怪物になってしまった。必然的にそうなったではない。コンピューターのハードとソフト関係の大者に趣味よきの一人だけおられたら、CADは別なものになったはずです。遠くから三月三日を祝うが、同時に、さんざんとやられてきた日本の風味というか、審美眼というか、それを悲しみ、いたむ日である。

無目鼻棚下ば大目鼻なり  敬愚
ないめはな たなおりれば おおめはななり

2 件のコメント:

  1. 天気さま、御無沙汰。

    只今ミュージックとマッシュルームのご記事を見て、あら最近は何をと見に行ったら、全てが天気さんではなく、他の人の投稿ばかり!この誌は完全に独り歩きできるようになった見たい! 

    そのペイジの投稿者の長い列行。下へスクロールしたら、なんとRobin D Gillの直ぐ後にTenkiSaibara。やれやれ、CageのMushroomとMusicの如。天気さんの投稿を求む人は、そのために子規の金玉と仲良くなるかもしれない。ここマイアミは日々より暑くなりますが、やはり汗のたまが玉の汗にもなる毎日です。しかし、RobinのロとSaibaraのサをくみあわせばROSAだ、そこに空も。。。

    今年中に再来日したい。来年から二年間に3冊x4季+2冊x4季のペースで古狂歌の20本も出したい。いつかEMAILしたが天気さんに届けたかどうか疑問。

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  2. 敬愚さん。こちらこそご無沙汰しております。

    古狂歌の件でのメールは届いています。ただ、一日で読みきれないくらい長い(笑。そしてエネルギーに満ちている。私の知力・体力が追いつけません。

    子規の金玉句の話。雛祭の話。どちらも大好きで、私にとっての《週刊俳句のベスト記事》にランクインするほどです。

    こちらは梅雨が長引いています。金玉に汗かく日々はもうすぐです。

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