コモエスタ三鬼 Como estas? Sanki
第22回
読解と曲解
さいばら天気
白馬を少女涜れて下りにけむ 三鬼(1936年) ※涜は正字
「後年『白馬』を白馬岳と解した人が出て来たには驚いた」と三鬼が自句自解。下山? 笑い話のような曲解だが、俳句の読みでしばしば起こる。ある一句に、ある種の「謎」が宿るとしても、それを読むことは、パズルを解くような読み解きではなく、あるいは読み手の「器」に矮小化する作業でもなかろう。
そうではなくて、その謎を、読み手のなかで謎のまま輝かせる作業というか、なんというか。
三鬼は、自句自解でまた、この句が乗馬会で作った句とも述懐。それを知る前は、もっと神話的なシーン、例えば森から現れた白馬と少女、のようなシーンを想像していた。いずれにしても、聖的な光景をしっかりと定着させて、シンプル。
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