2010年7月12日月曜日

●星野しずるは電気鰻の蒲焼きを詠むのか 橋本直

星野しずるは電気鰻の蒲焼きを詠むのか

橋本 直


某日。貧乏な私たちとしては珍しく渋谷のホテルのラウンジなぞに集結。シンポシオンⅡの打ち合わせと称し、ゲストの佐々木あららさん藤原安紀子さんをお迎えする。詳細はここでは言えないけど、3時間にわたり様々なことをお話しする。おもしろい話も伺えて、当日が楽しみ。

ちょうど良い具合に週ハイで三島ゆかり氏が「ロボットという愉しみ」 を掲載しているし、最新号「豈」でも倉阪鬼一郎氏が「21世紀末の『芭蕉くん』」を書き、「豈ウイークリー」で富田さんに「割合冷やりとさせられるものがあった」と言わせている

俳句に限らず様々な動きがはかったようにリンクするタイミングがこの数年の動きらしい。

ところで以前、週俳に書いたのだが、昭和6年に「俳句表現辞典」なる本がでている。 この辞典、用は俳句の気の利いたフレーズ集なのであり、ローテクだが辞典中の数ページ内の語を組み合わせるだけで一句できてしまう。すでに人間性を集め人間性を打ち消すような発想の母体は、自動生成プログラムの登場前に人間の中に存在していたことがわかる。ただ技術的に不可能だったものが可能になったに過ぎない。

打ち合わせでは、いろいろな話を聞きながら、創造することの根本について考えることがけっこうあった。期待の地平の此岸と彼岸についても。


〔参考〕 星野しずるの犬猿短歌

17 件のコメント:

  1. こんばんは。
    えっと、ロボットについてブログに書きました。http://yamadarockets.blog81.fc2.com/blog-entry-414.html
    参考にはならないかもしれませんが。

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  2. 露結様、コメントありがとうございます。記事、興味深く拝見しました。

    実は私たちの中では前から露結さんのやっておられることも話題になっています。

    お書きになっている「人間にもロボットにも作ることが出来る句」の問題、同時に人間にもロボットにも善し悪しを判別することが出来る句ってのも問題になりうるのではないかと。

    それから、露結さんからごらんになって、佐々木あららさんの活動や発言はどう見えておられるのか、なんて気になりました。

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  3. 橋本直さま
    ありがとうございます。

    ロボットの性格は語彙登録の段階でほぼ決まるのではないかと思います。
    ロボットの作者の性格がそのまま反映される場合もあるし、(三島さんの記事にあるように)作者が意図的にロボットの性格を決める場合もあると思います。

    あららさんについては、ファンキーだなあと。
    特にくわしく知っているわけではないですが。
    俳句の世界にもああいう人がいたらいいなぁ、と思います。

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  4. 追記です。


    これは、今回の不器男賞のときに松山の会場にいたという人から聞いたのですが(ホントかどうかはわかりません)、あの「悪水風」の作品が賞を逃したことについて審査員の一人は「コンピューターに勝った。」みたいなことを言っていたと聞きました。
    もし、このことが本当だとしたら「豈」50号の「21世紀末の『芭蕉くん』」(倉阪鬼一郎)に書かれていることはすでに現実に起こっているのではないかと。
    「悪水風」作品が賞を逃した原因のひとつに「ロボットだと思われていた」ということがあるとすれば、「悪水風」作品の作者にはお気の毒ではありますが、それは「人間にもロボットにも作ることが出来る句」と審査員が判断したのだから仕方がない、と言えるかと思います。
    ただ、これからもしロボットが進化して行くのであれば「人間にしか作れない句」と「ロボットにしか作れない句」の見極めはどんどん難しくなって行くと思います。
    ロボットというのは常に学習し、進化して行くことが可能ですからもしも新しい句風が出て来ても、すぐにそれ風の作品を作ることが可能だと思います。
    たとえば、今回受賞した御中虫さんの句をデータにして「御中虫風ロボット」を誕生させることも出来るでしょう。

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  5. 芝不器男賞選考会とその後の二次会について

    ロケツさんご指摘の誤解をしていて、かつ、その場に居た
    者の一人として補足をさせて下さいませ。
    差しさわりがあるものではありませんので実名で書きますね。

    まず発言ですが、これは参与の西村我尼吾さんのもので
    内容は「坪内稔典はコンピュータに勝った!」です。
    場所は選考会後の二次会会場。
    その発言の直前に初めて
    「コンピュータで作られた作品だという噂が」
    という話題が出ました。
    選考委員の方々はそれまでどなたもご存知ではなかったようです。

    坪内稔典さんはまず選考会の段階で、
    「この作品には『に』で繋いで作られたものが多い」
    という趣旨の指摘をされています。

    そこに「これはコンピュータの作では?」という話。
    「だからこれには決まった形の句が多かったのか」というようなやりとり。
    西村我尼吾さんはきっと、見抜いていたんだ!、という意味で

    「坪内稔典はコンピュータに勝った!」

    と、おっしゃったのだと思います。

    ですので、
    >>「悪水風」作品が賞を逃した原因のひとつに「ロボットだと思われていた」ということがあるとすれば、
    というのは、残念ながら(?)まだ実際に起こったことではありません。

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  6. 央太様

    そういうことだったのですね。ありがとうございます。

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  7. 会場、2次会の様子(文脈)は、央太さんのおっしゃるとおりです。

    ただ、城戸委員に関しては、ついったーを頻繁にチェックしてらっしゃることもあり、事前に噂を知っていた可能性はあります。


    それとは別に、佐々木あららさんの話が出ているので、加えて。「界遊004」のインタビューにて、今後に関して、

    言語と文学の知識を持つ人と技術者が組んだら、一段と発展するんじゃないかな、とも思いますね。そういう発展をした後に、「昔、『星野しずる』ってのがあってね」という話が生まれたら嬉しいですね。

    とこたえており、周到な人だと思いました。
    (というか、そういう人です。)

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  8. >ただ、城戸委員に関しては、ついったーを頻繁にチェックしてらっしゃることもあり、事前に噂を知っていた可能性はあります。

    ↑これ、大問題という気がするんだけど、どうなんだろう。

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  9. 不器男賞候補作をネット上でアップされ、「001」を見て、
    「おっ、一色悪水みたい!」と思いました。
    http://twitter.com/10_key/status/16581373095

    ↑このツイートでは「裏悪水」と書いてしまいましたが、裏はたしかエロなので、「一色悪水な」が正しいです。

    悪水さんが応募したとは微塵も思いませんでした。語彙も違いますしね。

    でも、ランダムに文節をつないだような部分もある応募作だったので、ちょっと揶揄的に(作者の人、ごめんなさい)、「悪水な」「自動生成っぽい」作品と思ったのでした。

    0001が悪水の件 と 001が悪水「な」件 この区別は、当然、どなたにもしていただけると思います。 

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  10. わたしには、天気さん流のジョークだということはわかりました(当たり前か、本人なんだから)。
    しかし、ここから噂が広まった可能性はあります。
    というか、選考委員が、選考中に、選考に影響を与える可能性のあるついったーをチェックしていることに問題はないのかなぁ、と思ったのですが。
    応募者からしてみたら、たまったもんじゃない、という気がするのですが、どうなんだろう。

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  11. ツイートをチェックする、というか、風聞は自然に入ってきてしまうのでしょう? 審査員の諸先生方は、そんなものに惑わされず、審査なさるはずです。

    不器男賞まとめツイートは審査直前でしたが、「悪水な」と書いたのは、候補作がネット上にアップされた直後でした。

    そのとき、タジーの 100句が一番、ともツイート。そのあと偶然、田島さんに会ったので、「ごめんね。あのツイートを審査員が見たら、田島さんのを避けるだろうから」とあやまっておきました。

    ちなみに、タジーのの100句、選考にかすらなかった(?)のを見て、センスのない選考だな、と思いましたよ。

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  12. >風聞は自然に入ってきてしまうのでしょう?

    何も問題がなければ、べつに。
    わたしには関係ないことですから。

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  13. はなはだ主観めいた話で恐縮ですが、選考委員の方々皆さん、
    目の前にある句に対して真摯に向っておられたと思います。
    当たり前のことかもしれませんが、
    「同じような句はこちらにもある」
    など、応募作を隅々まで精読しておられることが伺えました。

    なので大丈夫だと思いますよ。ロケツさん天気さん。
    (はなはだ心許ない私の言ですが。)

    また、その真摯さからすると逆に、たとえ生成された句であっても
    本当に良いものであれば評価されるかもしれない、とも
    思わされておりまして、この話、興味が尽きません。

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  14. >ここから噂が広まった可能性はあります。

    とすると、全責任は私に?

    なんの責任か判然としないところが、むずかしいところ。

    「な」の一文字なんて読んでもらえないのだと、今回、勉強になりました。


    >なので大丈夫だと思いますよ。ロケツさん天気さん。

    いえ、べつに、その意味で大丈夫じゃないなんて思ってませんので。

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  15. 責任なんて誰にも無いと思います。
    しかしながら、本当に悪水だと思っている人がいると知ったときはびっくりしました。
    みんな、ロボットに期待し過ぎ。

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  16. 天気さま

    コメント欄にてすみません。
    お礼を言うのを忘れていました。
    週刊俳句に掲載していただくなど、これまで「悪水」をお引き立てくださりありがとうございました。

    俳句にとって刺激的で面白いこと、まだまだたくさんあると思います。
    これからもよろしくお願いいたします。

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  17. おお、熱出して寝込んでいる間にこんなにたくさんの書き込みが。しかも芝不器男賞選考の裏でそんなことがあったとは(笑)。

    しかしまあ、私はそこあまり関心のないとこなのでスルーさせていただきまして、まずは露結さんコメントありがとうございます。
    satoayaさんもあららさんの寸感&「界遊004」からご紹介感謝です。これは私がやっとくべきだった。私はお会いしてみて、慎重に言葉を選ぶ方であるという印象を持っています。Webでの表現展開から人物像を想像しているとちょっと意外かも。なお、私たちの勉強会では、ここで話題にされている自動作成の問題とはちょいと違った論点からの話になると思います。

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