熊本電停めぐり 第5回 段山町(だにやままち)
中山宙虫
3号線上熊本駅前~健軍町の5番目の電停。
上熊本から所要時間4分。
9月21日(火)
18時。
熊本市内は、祭りのあとの雰囲気。
「藤崎宮大祭」が終わると、熊本の暑さもひと段落する。
昔からそういう言われ方をしていた。
昨日、祭りが終わり、そういう空気がどんよりとしている。
この「上熊本駅前」からこの「段山町」まで、線路はまっすぐ延びている。
3号線はここから、くねくねと曲がりながら熊本城の周辺を走っていくことになる。
もうひとつ上熊本駅前からJR鹿児島本線とも並走している形になっているが、この電停を最後にJRとも離れていく。
いま、九州新幹線の試運転が始まっている。
この電停から新幹線の高架がよく見える。
かつて市電とJRの間には病院などが建っていたが、いまは更地となっている。
この高架のおかげで道路の事情も変わってきた。
電停のすぐそばを跨線橋が渡っていたが、取り壊されて、橋が続いていたトンネルだけが残っている。
このトンネルは熊本城公園の端をくぐっていて、上熊本方面の住宅地と市街地を結んでいたが、時は流れてその役目を終えたことになる。
そんなことを考えていると、跨線橋のなくなった空は広くも感じるし、別の意味でさみしくもある。
格段に景色が変わっているとも言えない周辺だが、新幹線が走りだすとたぶん新しい音や風やひとの流れがこのあたりを変えてしまうかもしれない。
新幹線が通る。
それがどういう将来を産み出すのか。
市民はどこか醒めた目で見ている部分がある。
さらに熊本市は平成24年4月政令指定都市を目指している。
この街が政令指定都市・・・・。
どこか違う感覚がある。
政令指定都市。
人口百万人の都市。
すごい大都会だというイメージがあった。
いまや、普通の街が政令指定都市になれる時代。
目の前に電車の広告が。
さて、市電の線路はこの「段山町」から左へカーブする。
昔ながらの生活が見える町に入っていく。
そのカーブのところに地蔵を見つけた。
「三面地蔵尊」。
時々お参りをしているひとを見かける。
こういった地蔵や観音などが町内ごとにある。
見て回るのも楽しいかもしれない。
三面地蔵は本当に顔をみっつ持っていた。
地蔵と別れて、電停へ引き返す。
まっすぐな線路を電車がやってくる。
信号機が赤になるたびにとまりながら。
新幹線と並走する。
なんだか可笑しい。
その電車がやっと。
今日はこれで帰宅する。
次の電停は「蔚山町」。
●
0 件のコメント:
コメントを投稿