【俳誌拝読】
やわらかい機械
『俳句界』2010年10月号を読む さいばら天気
『俳句界』2010年10月号にこんな句があった。
雲間よりふわと落ちきし軟機械 表 健太郎
「天地論抄」50句の冒頭の句で、「軟機械」の語を詠み込んだ句が計6句並ぶ。ページタイトル脇に「戦列デビュー50句」とあり、作者・表 健太郎は1979年生まれ、「LOTUS」同人・編集担当。
短い解説文(『俳句界』編集顧問・大井恒行)には、ドゥルーズ/ガタリの「欲望機械」の語があるが、軟機械については「たぶんそれは、俳句形式に潜むシステムのことであろう」(大井)とだけあり、それ以上の説明はない。
作者の思惑はわからないが、「軟機械」といわれたら、どうしたって「ソフト・マシーン」を想起する。
≫Wikipedia「ソフト・マシーン」
Soft Machine - 1967 - I Should've Known
「軟機械」といった造語めく鍵語を俳句に取り入れていく動きは、もっとあっていいかもしれませんね。「ソフト・マシーン」というバンドの業績を「本歌」にすることもできるし、あるいは、「軟機械」という語からの連想で、物語世界をつくりあげていくこともできますし。
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