樋口由紀子
オルガンとすすきになって殴りあう石部明 (いしべ・あきら) 1939~
オルガンとすすきなら勝負にならないだろうとまず思った。オルガンとオルガンならどちらかが壊れるだろうし、すすきとすすきでは無残になる。
「オルガン」も「すすき」も比喩として私は読まない。矛盾するかもしれないが、「になって」だからである。もちろん、人はオルガンにもすすきにもなれない。殴りあってもどうしようもないことは最初からわかっている。しかし、オルガンとすすきになって殴りあうしか術がないのだ。とても哀しく、とても切ない。
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靴屋きてわが体内に棲むという〉〈
からっぽの身体畳んで鳥の真似〉〈
老人がフランス映画に消えてゆく〉 石部明は川柳の新たな世界を切り拓いてきた第一人者である。『遊魔系』(2002年 詩遊社刊)所収。
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樋口さん。こんにちは。吉増さんの会でとなりあった小林です。迷い子どうしのありさまをなつかしんでいます。
返信削除杉浦(従妹)から届いていた『川柳の森2000年版』集中の「一方通行の道路」拝見しています。
てのひらに桃を沈めて父を絶つ
ほか印象ふかく、くちずさみになりそうです。
小林さん。
返信削除吉増剛造さんは素敵でしたね。
その節はお世話になりました。おかげさまで楽しいお酒でした。
道に迷わずにちゃんと帰ることが出来ました。
『川柳の森2000年版』なつかしい~~。