樋口由紀子
クリスマスお寺はとうに寝てしまい西島〇丸 (にしじま・れいがん) 1883~1958
明日はクリスマスイブである。楽しみにしている人はたくさんいる。一方、クリスマスとはまったく関係のない人も多い。キリスト教の祝祭はお寺とは本来は無縁である。世間の賑わいをよそにしんと静まりかえっている本堂の屋根が思い浮かぶ。対比の立て方がおもしろい。
○丸は東京深川霊岸町の浄土宗西念寺の住職であった。西念寺は伊賀忍術の服部半蔵を開基として建立された。
実は我が家は寺である。夫に子どもの頃のクリスマスはどうしてたと聞くと普段の日と何も変わらなかったと言う。しかし、今、我が家には小さいけれどクリスマスツリーが飾られ、明日は息子の友人たちが来てクリスマス会をすると言う。クリスマスに眠らない寺が出てきてしまった。『川柳全集第三巻西島○丸』(藤島茶六編構造社出版1979年刊)所収。
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