【俳誌拝読】
『蒐』第8号(2011年12月25日)を読む
西原天気
編集:鈴木不意、発行人:馬場龍吉。本文20頁。カラー刷りの美しい誌面が特徴。
同時諸氏の10句と短文を中心。この号では同人4氏による中嶋憲武『日曜のサンデー』(小誌「週刊俳句」から電子ブックとしてリリース)書評を掲載。
微妙な関係の二人にも限られた時間は与えられる。金木犀の匂いにかまけて時間は過ぎていく。明るい日差しの中をあてもなく切ない二人は歩きだすのだが。(鈴木不意「困ったときの言葉探し」)
以下、何句か。
落鮎の頃なり雲が雲を呑み 太田うさぎ
つまみみる耳の固さの早松茸 菊田一平
砂町の空より蒲団叩く音 鈴木不意
家具調のテレビのありき檸檬の香 中嶋憲武
狐火を見てきし喉を湿らしぬ 馬場龍吉
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