相子智恵
空という箱あるように雷鳴す 北川美美
「-blog 俳句空間- 戦後俳句を読む 第33号」(2013.8.16発行)より。
東京では連日、集中豪雨と激しい雷が続いている。家の間近に雷が落ちることも多い。その盛大な音を聞いていると〈空という箱〉の感覚に、なるほどと思う。
空はもちろん囲われてはいないけれど、雷がこうも近いと、ライブハウスのような箱の中でバリバリとした硬い大きな音が壁に反響して聞こえているような気持ちになるのである。
雷神は昔から太鼓(雷鼓)を叩く姿で描かれるが、〈箱あるように雷鳴す〉からは、雷神の太鼓の響きを、まるで自分がその太鼓の中に入って内側から聞いているような幻想までしてしまうのだ。
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