相子智恵
猫の背にほこと骨ある良夜かな 齋藤朝比古
句集『累日』(2013.9 角川書店)より。
〈ほこと骨ある〉にああ、そうだなあ、と思う。この〈ほこ〉に、丸まった猫の背中を撫でたときに感じる、毛と皮越しの背骨の手ざわりを思い出すのだ。見るからにふわふわの柔らかい毛に包まれた猫でも、その体は意外にシャープで、背中側はすぐ骨にあたる。あたたかく「ほこ」と。
背骨を感じているところから、猫を膝の上にのせて撫でている風景が浮かんでくる。猫は丸くなって撫でられながら、安心しきってグルグルと喉を鳴らして喜んでいるようだ。
猫の背を撫でながら、ゆっくりと名月を楽しむ夜。ぽかぽか温かい猫の体は、撫でていてこちらまでリラックスした温かい気持ちになるが、こんな日は特にうれしい。静かでやわらかな気持ちになる名月の夜である。
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夜のニャンの骨はサイケ倫強ロリコン狩れ
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