2013年11月6日水曜日

●水曜日の一句〔日下節子〕関悦史



関悦史








今日のやうな明日でありたき寒夕焼  日下節子

漠然とした不安と緊張が漂っている。

無事には済まない、今日のようでない明日がいつかは必ず来る。

それを知りつつ、今日一日が無事に過ごせたことへの感謝や満足も、句にはあらわれている。

不安と自足がともにあらわれているのは、寒さ、明るさ、一日の終わりをあわせ持つ「寒夕焼」のためだが、ここまでは比喩を読み取ったというだけのことだ。

寒さに包まれた夕焼けは、その赤さの中に意識を引き込むような力を感じさせる。その力が、「今日のような明日」をという願いの「持続」性と響きあう。


句集『店蔵』(2013,10 角川学芸出版)所収。

2 件のコメント:

  1. 香澄明花2013/11/08 14:30

    セーターを手洗いするや寒夕焼

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  2. 尿道らしき官僚ばり過食す寒夕焼

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