樋口由紀子
二と二では四だが世間はさうでない
近藤飴ン坊 (こんどう・あめんぼう) 1877~1933
予約の取れないレストランの味がいまいちだったり、ベストセラー本が期待外れだったり、衆議院や参議院の選挙結果がなぜこのようになるのか理解ができなかったり、と「世間はさうでない」を実感することはたびたびある。
「へえ~」とか「うそ~」と思うことが確かにあっても、「二と二では四」とまでは言い切れない。これほど平易でわかりやすい言いまわしに降参する。人の気持ちをくみとって、誰かを励ましている一句かもしれない。
飴ン坊は柳樽寺川柳会機関誌「川柳」の創刊に尽力し、角恋坊とともに編集を担当した。〈をどつてるをどつてるふところはからっぽ〉〈黒船が何だ昭和八年だぞ〉〈探ってする白状は面白い〉〈十二時に腹のへらない怠け者〉
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