樋口由紀子
半島と湾のあいだで平謝り
いわさき楊子(いわさき・ようこ)1953~
なぜ平謝りなのかは説明されてない。平謝りは自分の非を全面に認め、平身低頭してあやまることであり、あまりかっこいいものではない。が、そのかっこいいものでないことを半島と湾のあいだでするという。なんとスケールが大きいのだろう。こんな平謝りははじめて見た。不意打ちをくわされたようだ。
だが、「半島と湾のあいだ」って、一体どこだ?半島は陸で湾は海。絵に描いてみたが、ない。半島か湾になる。ということは謝るつもりはないのか。それとも、現実には存在しないが、言葉で作った「あいだ」で謝るというのか。ありそうでないところでの平謝り、それもありかと思った。
〈信用できるのは脚の太い馬〉〈身の丈のあわぬ竹輪を買ってくる〉〈二番目の姉があさって来るという〉 『らしきものたち』(2015年刊)所収。
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福井県、若狭湾、敦賀半島、関西電力?
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