2017年1月19日木曜日

【裏・真説温泉あんま芸者】句集の読み方 その7・本文 西原天気

【裏・真説温泉あんま芸者】
句集の読み方 その7・本文

西原天気


句集の本文とは、言うまでもなく、句。

並べ方は、大きく2通り。

A:編年体。

句をつくった順に並べる。昔ほど前のページに来るのが一般的(逆は、1冊くらいしか記憶にない)。

B:非・編年体。

作成年月日とは無関係に並べる。


なお、いずれも、季節の順に並べるのが一般的。


A 編年体〕にせずB 非・編年体〕にする理由は、大きく2つ。

C:ある種の意図、読まれたときの効果を狙う。

D:いつ作った句かわからない/忘れた。自句を整理していない。

あんがいDが多いと推測され(例:私)、A 編年体〕を採る俳人は、結社で真面目にやっている人が多いのは、数年間の結社誌を見れば、制作順は一目瞭然だから、か。

A 編年体〕は作者事情(読者にとっては、いつ作ったのかなんて知ったこっちゃない)、〔B 非・編年体〕はいちおう読者事情だが、Dの理由だと、大きなことは言えない。


経験的に、A 編年体〕だろうとB 非・編年体〕だろうと、句集全体の印象にそれほどの差は出ない。

句の順序は重要なようでいて、それで嵩増しされる価値は知れている。おもしろい(広義の「おもしろい」です。蛇足ながら)句が多い句集は、どう並んでいようがおもしろい(逆も同様)。

作者が苦労して並べるわりに、効果は限定的。

なので、これから句集をつくる人は、気楽に並べればいいです。

ただ、最初のあたりは気を使ってもいいかもしれません。数ページで読む気をなくすという並べ方は、つくる人としても残念だと思うので。

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