【俳誌拝読】
『鏡』第25号(2017年9月1日)
A5判、本文32頁。編集人・発行人:寺澤一雄。以下同人諸氏作品より。
塔老いにけりひぐらしの声のこり 羽田野令
本棚をずらせば汽笛夏めく日 笹木くろえ
虹は水また八分の六拍子 佐藤文香
行く夏を首寝違へし人とゐる 谷雅子
姥百合の揺れて真昼の生欠伸 八田夕刈
ここからが中野サンプラザの日陰 三島ゆかり
禁色や玉子喰うとき殻を剝く 村井康司
ふらふらと来て猛りたる火取虫 森宮保子
砂浜に残る海月のその後見ず 大上朝美
キッチンを灯すと淋し夏の暮 佐川盟子
春山の奥に冬山そこまで行けず 寺澤一雄
(西原天気・記)
0 件のコメント:
コメントを投稿