2018年6月24日日曜日

〔週末俳句〕写真 上田信治

〔週末俳句〕
写真

上田信治


鹿児島から入って、宮崎に泊まり、大分に泊まり、松山に泊まり、福山に泊まるという旅行をした。全部一泊ずつ。この動線のながーい旅行を計画したのは妻だ。

鹿児島で思ったこと。
西郷どんのペーパークラフトが、あちこちに飾られていて、それが、柳原良平のアンクルトリスとか赤福の旅びとを連想させる造形なんだけど、あのアメリカっぽい造形の原型はなんだろう。

宮崎で…
シーガイアに泊まったら、ラグビー日本代表が合宿をしていた。大浴場にそれらしき人たちが入ってきたのだけれど、ふつうに予想できる範囲の、いいガタイをしていた。

大分で…
漫研の後輩がオーナーシェフのレストランへ行く。彼女のダンナさん(彼も漫研)が大分出身で、こっちで店をはじめた。彼から、むかし、大分県人が宮崎県へ行く、ということが、どれほど考えられないことだったか、という話を聞く。

愛媛で…
夕日のきれいな駅で有名な予讃線下灘駅の下を、ちょうど日没のころに通りがかる。駅で夕日を眺める人たちを見ることが出来て、満足。

松山で、ご飯の店をさがして大街道へ。ここが、あの!と思う。

福山で…
かつて常石造船という会社の「迎賓館」だったというホテルに泊まった。そんなふうに、日本の会社にお金があった時代があったんだな、と思ったけれど、そのホテルはまだ常石の所有なのだという。翌日、そもそも目的地であったお寺(神勝寺)に行ったのだけれど、その寺も常石の寄進によって建ったのだそうで、はあ、もう領主だなと。

妻はどこへ行っても写真を撮る人で、自分は、手持ちぶさたなので、写真を撮っている妻をうしろから写真に撮る。

「写真を撮る妻のうしろ姿」が、写真フォルダに溜まっていって、だんだんライフワークのようになってきている。


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