2018年8月5日日曜日

〔週末俳句〕署名と花籠 小津夜景

〔週末俳句〕
署名と花籠

小津夜景


ここのところ東京にいて、週末ごとに人前に出ていた。

7月29日(日)

本屋B&Bで新刊『カモメの日の読書 漢詩と暮らす』発売記念のトークイベント。タイトルは「海外翻訳文学としての漢詩 ~古典との新しいつきあい方」。お相手は詩人の蜂飼耳さんと『未明』ディレクターの外間隆史さん。造本のこと、唐詩と宋詩の違い、江戸の女性漢詩人、土屋竹雨「原爆行」などについて話す。

イベント終了後は、あらかじめ考えていた方法で本にサインをする。サインってなんだか偉そうだし、なにより単純に恥ずかしいのでなんとかならないかなあ…と前から思案していたのですけど、下の写真の場所だったらすんなりできるので気に入っています。


8月4日(土)

編集工学研究所で、風韻講座の特別編「半冬氾夏の会」に出演。タイトルは「二〇一八年夏秋の渡り」で、酒井抱一「夏秋草図屏風」がほのかに匂いづけされている。お相手は歌人の小池純代さんとイシス編集学校校長の松岡正剛さん。

第1部では前もって参加者に出されていた宿題(拙句から栞にしたい一句を選び、さらにその栞を挟むのにぴったりな本を挙げる)に対して小津が寸評を加えるといった、全くもってご冗談でしょう!的遊戯をおこなう。遊戯の締めには朗読も。第2部では小池&松岡両氏と、複数の言語を耳でどのように捉えているか、俳句を構成しているレイヤーのこと、新刊の話題などについておしゃべりした。

この日は贈り物もいただいた。草花を寄せた花籠で、奇しくも酒井抱一的風韻をそこはかとなく感じさせる。送り主の名を聞くと、まだお目にかかったことのない知人から。人と人とはじかに会うのも楽しいけれど、そこに至るまでの長い時間も文句なしに素敵です。


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