浅沼璞
酢瓶いくつ最昔八岐の大生海鼠 松意
『軒端の独活』(延宝八年・1680)
前回の「薬喰」に続いて冬の食べ物つながり。
漢字が多いが、「スガメいくつ ソノカミ ヤマタの オホナマコ」と読む。
酢瓶につける大生海鼠を八岐の大蛇(をろち)に見立てた滑稽。
こんな大きな生海鼠を退治する(食べる)には、いくつの酢瓶が必要か。記紀神話の昔、八岐の大蛇の退治には八つの酒瓶を使ったくらいだから、やはり八つほどいるだろう、という洒落である。
伝説と現実のイメージギャップをねらう談林の典型だ。
前回の「薬喰」に続いて冬の食べ物つながり。
漢字が多いが、「スガメいくつ ソノカミ ヤマタの オホナマコ」と読む。
酢瓶につける大生海鼠を八岐の大蛇(をろち)に見立てた滑稽。
こんな大きな生海鼠を退治する(食べる)には、いくつの酢瓶が必要か。記紀神話の昔、八岐の大蛇の退治には八つの酒瓶を使ったくらいだから、やはり八つほどいるだろう、という洒落である。
伝説と現実のイメージギャップをねらう談林の典型だ。
田代松意(たしろ・しようい)は江戸談林の中心人物。本コーナーなじみの『談林十百韻』の編者でもある。
宗因没後、俳壇から姿を消すのは高政と類似パターンで、おなじく生没年未詳。
謎多き談林。
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