2008年11月11日火曜日

●おんつぼ01 ハウンド・ドッグ・テイラー 山田露結


おんつぼ 01
ハウンド・ドッグ・テイラー Hound Dog Taylor


山田露結

おんつぼ=音楽のツボ



「へなちょこ」な音楽が好きです。私が「へなちょこ」と言うのは、いわゆるヘタウマ、B級、マイナー、といったものと限りなく近い感覚ではありますが、私はいつも私自身のツボにはまる独特の脱力感を伴う音楽と出会った時「やった!へなちょこ。」と心の中で呟きながら何とも言えない恍惚感に浸るのです。

例えばハウンドドッグ・テイラー。彼が演奏するのはブルースですが初めて聴いたときは高校生のパンク・バンドのデモテープかと思いました。「ガハハハ、オレはバカだぜ!」と言わんばかりに、これでもかとスライド・ギターを掻き鳴らします。はっきりいってかなりイっちゃってます。チューニングもアヤしいしリズムもツンのめってます。こんな事やろうと思って出来るもんじゃありません。

注目すべきは彼のバンド「ハウス・ロッカーズ」のギター二本とドラムスというベースレス編成。ベース無しというのは例えてみればダシの効いていないスープのような気もしますが、どういうわけかこの妙なスカスカ感がグッときます(もっとも、サイドギターはベース的な低音の動きをしています)。ちなみにこのスタイルは後年、ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンに受け継がれています。

ハチャメチャな演奏、かなりチンピラッっぽい外見、バカさ加減、日本製のへんてこギター(カワイ製?)、そして彼の手には指が6本あったという妙な逸話(本当らしいですが、6本目の指はほとんど動かなかったようです)などなど、何もかもがステキなブルース・マンなのです!

バカ度 ★★★★★
チンピラ度 ★★★★★


〔アルバム〕 ハウンド・ドッグ・テイラー&ザ・ハウスロッカーズ

3 件のコメント:

  1. 指が6本!

    アマゾンでワン・クリックしそうになっちゃいました。

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  2. カワイではなくテスコ(Teisco)ですね
    http://jp.youtube.com/watch?v=I-GqcUVoRLI

    グループサウンズの頃、上級生のおにいさんが持っていました。

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  3. 「Beware Of The Dog」というライブ盤の裏ジャケの写真にはしっかりと指が6本写っています。

    やはりテスコですかね。何かの記事でカワイだと読んだ記憶があったので。

    ちなみに、このデビューアルバム「ハウンド・ドッグ・テイラー&ザ・ハウスロッカーズ」のこの一曲でキメっ!は「GIVE ME BACK MY WIG」(オレのかつらを返せ!)です。

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