2008年11月22日土曜日

●「豆の木賞」について聞きました

「豆の木賞」について聞きました



「豆の木」は「超結社/1950年以降生まれの俳句実作者の会」(ホームページより)。豆の木賞は毎年、同人が参加する20句競作。賞を設ける同人・結社は多いが、参加者全員の互選によって受賞を決めるのが大きな特徴。持ち点6点を、1作品3点以内・3作品以上の条件のもと振り分けて採点、併せて参加全作品について批評コメント、感銘句の選と選評を寄せる。参加者が全作品を「読む」という作業に大きな比重が置かれている。豆の木賞について、豆の木代表・こしのゆみこさんに聞いた(聞き手・さいばら天気)。


Q 豆の木賞・第1回は1995年。「豆の木」結成の1年後ですね。現在はワードの統一書式で句稿が配布され、エクセルシートに配点とコメントを書き込んで進行係に送付するスタイルですが、当初はどうだったのですか?

こしの 1回目は、みんなそれぞれワープロ打ちのB5原稿をコピーして、句会で点盛りしました。感想もひとりひとり、どこがいいか口答でしたので、記録がありません。天地人で3点・2点・1点ずつ。欠席の人は前もって配点を聞いてありました。句会日にするのは大変なので、2回目からは用紙をつくって書くようになりました。せっかくなので全作品感想も。もちろん当時は手書きです。


Q 豆の木賞・発案のきっかけ・背景のようなものは?

こしの 同人の片岡秀樹さんの提案です。句会発足1年間の成果をためそうということでした。10句では少なく、20句になれば傾向が出るかんじがします。1回目はテーマ「時間」「都市」「虫」のうちから選びましたが、2回目からはみんなの希望で自由題になりました。


Q 豆の木賞、14年間の変化は?

こしの 参加人数は1回目は9名。2回目12名。3回目19名で、以後20名前後です。

とりまとめは、8回まで私がをやっていましたが、9回目から同人の朝比古さんが「豆の木」賞のとりまとめのひな形を作ってくれて今の形になりました。その際、均等割 とそうじゃない文字の配列も隔年ごとになるよう決めました。配列の違いで作者が解ってしまうのを避けるためです。「一句賞」もこの時から出ることになりまし た。

朝比古さんが自分の受賞を含めて2回とりまとめをやって、「豆の木」賞受賞者がとりまとめをやることとなったのです。

「豆の木賞」受賞者に限れば例年、予想が付かないくらい傾向はバラエティに富んでいて、誰が参加するかによっても、受賞者が変わってくるように思います。

1回目は俳句初心者がほとんどだったので、それに比べれば全体的なレベルアップは当然だと思います。内容は私個人、年ごとにテーマなど変えているつもりですが、変わってないのでしょうか。メンバーもいろいろ冒険している作品もあって、作者はほとんどわからず、毎年刺激を受けます。


Q こしのさん自身がお感じになる「豆の木賞の愉しさ」は?

こしの 参加者が全員選者、全員平等配点は句会と同じです。途中から配点が天地人から、持ち点6点制にしてから配点がばらけて、接戦になるようになりました。ほとんどの参加者が得点できるようにもなりました。

選評を示すことで各自の配点基準がはっきりわかり、それぞれ違っておもしろい。読むのはいつも楽しみ。

年に一度、なまけものが奮起する20句連作が、私の俳句の明日につながると信じています。

愉しいかどうか微妙だけれど、ほとんど私が一番に推す人が「豆の木」賞にならないことも、おもしろさのひとつでしょうか。


Q 豆の木賞の現状の課題・問題点をお感じはなることはありますか?

こしの メンバーに変化の少ない「豆の木」ではマンネリ化は避けられません。本人のモチベーションによって気が乗らない年もあってもしかたがないと思います。

参加者全員=選者制なので、人数は、紙面の都合も考えると24人くらいがいいけれど、多くても少なくても、なるようになっていきます。

もっといい方法があれば、かんたんにころっとやり方を変えるつもりです。


Q 今後の展望は?

こしの なりゆきにまかせます。20句競作豆の木賞の参加が本人の俳句生活において意義のあるものになればいいと思っています。


--ありがとうございました。


豆の木ホームページ
http://homepage3.nifty.com/mamenoki-kukai/

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