二輪通さんに聞きました
豚の句ばかり並んだ10句作品「豚の春」(「週刊俳句」第52号-2008年4月20日-掲載)を覚えておいででしょうか。多くの読者に強烈な印象を残した豚10句。その作者、二輪通さんに「豚句」のいきさつなどを聞きました。
Q 豚の句だけつくるようになったのは、いつ頃からですか?
俳句をはじめて5年くらい経ってからです。
Q 二輪さんは結社「炎環」所属ですね。「炎環」への投句は、当初から現在まですべて豚の句ですか?
『炎環』をあらためてみてみると、最初の1年くらいは、豚の句はありません。
Q 最初につくった豚の句は覚えていますか?
豚の入った句は『炎環』をみた範囲では、「麺入るる豚骨スープ花の冷」。ただこれは豚の句とはいえないかと。そうなるといったい何が最初の豚の句なのか、よく覚えていないのです。
Q 豚句を作り始めたきっかけは?
なんとなく始まったといった感じでしょうか。
Q それにはなにか理由というか、狙いがあるのですか?
狙いというほどのものは、始めたころはまったく考えていませんでした。マンネリズム、イメージの増殖、内容・韻律の単純化、等々……。これらのことが、豚の句をつくりつづけることで、何らかの意味(プラス、マイナスともに)をもってきて、いっそう増幅していくということではないでしょうか。
Q いま、豚の句以外をつくることはありますか?
つくりません。たぶんこれからもつくらないでしょう。
Q 句会は参加されることはあるのですか?
参加していません。かりに参加したら豚の句を投句することになるかと。
Q 好きな俳人は?
中村草田男、西東三鬼など。
Q 実際の豚は、お好きですか?
吉野屋で「並」といえば牛丼の並。豚丼ではありえません。私はいつも「並」を注文しています。
Q ポークではなく、動いている豚は?
子豚レースのようなものを子どもの頃にみて以来、動いている豚はみたことがありません。好きでもないけど嫌いでもないといったところでしょうか。
Q ところで、そろそろ冬の豚、いかがでしょう? 週刊俳句にいただけませんか?
はい、あけて1月なら…。
Q ありがとうございます。楽しみにしています。
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