〔俳誌拝読〕
ににん
第34号/2009年春号(2009年4月1日発行)64頁
岩淵喜代子氏が代表を務める「ににん」の季刊誌。
巻頭近くの「物語を詠む」は、古今東西の名作小説をテーマに同人諸氏が24句を詠む(+八木忠栄氏の外部寄稿一篇)。句作の幅を限定されそうだが、そうでもなく、原典とは緩い関係を保ちながら自由に、というところだろう。全体にのびのびした句がめだつ。
春浅し両手に鞄さげて会ふ 上田禎子(藤沢周平『早春』を詠む)
続いて、おひとり5句ずつの「ににん集」はテーマ詠。「黒」をテーマに各氏各様のアプローチ。
俳句を詠むのに、何かの仕掛け・工夫を、といった意図が見える。それは目的ではなく、そこをテコの支点、あるいは起爆剤のようにして、句作の広がりを狙うものなのだろう。
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ページ数が半分を過ぎると、句評・論評・エッセイが並ぶ。岩淵喜代子氏「石鼎評伝『花影娑婆と』はこの号ですでに35回、また長嶺千晶氏「預言者草田男」は12回を数える。
「ににん」のホームページは≫こちら
(さいばら天気)
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