相子智恵
曲がりたる時間の外へ蝸牛 花谷 清句集『森は聖堂』(2011年5月10日/角川書店刊)より。
そういえば今年はまだ、蝸牛に会っていない。
この句の魅力は「時間の外へ」だろう。蝸牛の殻のぐるぐる巻きを「曲がりたる」で無理なく想像させながら、私たちに流れる直線的(?)な時間の世界と、蝸牛がそこからはみ出してゆく(蝸牛にしてみれば、入り込んでゆく)殻の中の曲がった「時間の外」の世界が、ぐにゃりと交差する。
そもそも「時間の外」とは何だろうか。「無時間」ということなのか。
わかったようでわからない、魅力的な問いが頭の中にぐるぐると渦巻いてきたところで、今日のところはとりあえず、眠ることにしよう。なにしろまだ月曜日で、一週間は長いから。いや、今週は短く過ぎそうなんだっけ。
……一週間の長い短いも、わからない。こうしてまた「時間」のことがわからなくなるのだ。「時間の外」は、なおのこと。
●
相子智恵さま;
返信削除ご鑑賞ありがとうございました。
「時間の外」の作者