2011年10月20日木曜日

【俳誌拝読】『都市』2011年10月号を読む

【俳誌拝読】
『都市』2011年10月号を読む

西原天気


中西夕紀主宰を発行・編集人とする結社誌。

巻頭は外部からの寄稿、筑井磐井「ゆらゆら季語」(俳句の歴史入門講座21)。太陽暦の採用で、さまざまに「よく分からない」ことが起こっているという話題。例えば、月ごとに編集された歳時記では「節分」が冬に含まれてしまうケースがあること、原爆忌は8月なので秋の季語に分類されてしまうことなど。俳句分野に限らずたびたび指摘される不具合ですが、これ、なんとかならないのでしょうかね?

記事は他に、桂信子、蛇笏・龍太、前田普羅など作家論、他誌レビューなど豊富。


以下、主宰および会員諸氏の作品から。

血色の良き僧の出で梅干せり  中西夕紀

少年は鉛筆の芯炎天下  本多 燐

ハンモック通りすがりに揺らしけり  栗山 心

車止めまでふらここの影のくる  城中 良

走り根を階段にして風涼し  高木光香

声のなき鯉の大口柿の花  盛田恵未

日当るや羽色の失せて糸蜻蛉  小林山荷葉

新築の家を映して金魚池  星野佐紀


「都市」俳句会 ウェブサイト

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