おんつぼ42
Love of Life Orchestra
西原天気
おんつぼ=音楽のツボ
ピーター・ゴードンという人がいます。サックス奏者という以外はあまりよくわかりません。googleで調べようとするとピーター&ゴードン(愛なき世界)ばかりヒットするわ(まったく無関係)、同姓同名の料理人のページに行っちゃうわで、困りものですが、まあ、アンダーグラウンド系のミュージシャンです。
ピーター・ゴードンのバンド、ラヴ・オヴ・ライフ・オーケストラが残したトラックは数少なく(≫こちらディスコグラフィ)、Extended Nicetiesは1980年に発売された30センチ(LP盤)シングル(45回転)。まずは、そのB面「Beginning Of The Heartbreak / Don't Don't」を聞きましょう。
1980年といえば、ニューウェーブ前期。街の輸入盤屋さんがとても熱かった頃です。おもしろいバンド、おもしろい音はないかと、好事家的音楽ファンやモードを追いたいミュージシャン、業界関係者が熱心にレコード盤をめくっていました。
ピーター・ゴードンはよく知らなくても、参加しているミュージシャンの名を見て、このシングルを買った人は多かったと思います。
ギターが何本か入っていますが、終盤、コード(和音)をカッティング(刻み)で入れているのが(推測)トーキング・ヘッズのデヴィッド・バーン、無調っぽくノコギリ引くようなメチャクチャなギター(6分35秒あたりから)を弾いているのがアート・リンゼイ(これは確実)。それから、デヴィッド・ヴァン・ティーゲムは、そこらへんにあるものを叩いてまわるパフォーマンスで知られた打楽器奏者で、昔のCMで見た人もいるかもしれません。
この曲(この演奏・トラック)、何がいいって説明するのは難しいのですが、当時は毎日のように聞いていました。どんづまりな感じがスタイリッシュ(なんと空疎な表現)だったのか。
今はCDでの再発もあります。
あ、そうそう。45回転のこのレコードを33回転で聞くことのほうが多かった(音が重く粘って、すごくいいんです。最後のほうの女性コーラスはオカマ声になる)。CDの速度調節が出来る人は、1.5倍くらい遅くして聞いてみてください。
モードっぽ度 ★★★★
アンダーグラウン度 ★★★
●
0 件のコメント:
コメントを投稿