〔今週号の表紙〕第278号
夏の果て
橋本有史
十数年俳句の世界に浸かってきたが、突然にフォトグラファーになろうと思い7月から写真を習いだした。俳句に飽きたわけではない。俳句で培ってきたこと(省略、客観写生、寄物陳思など)、そして季語、季感、それらを使って写真を撮ってみようかと思ったからである。写俳ではない。俳句と写真を重ね合わせると情報過多で暑苦しい。「俳人写真」(俳人目線で撮る写真)そんなものを目指してみようかと思っている。
この写真は沖縄本島の那覇空港に隣接した瀬長島という島である。滑走路の丁度先にあり飛行機が真上を、大空に向かって昇っていく。この島には野球場があってたくさんの少年野球チームが歓声をあげていた。一方海辺にはほとんど人がいない。沖縄の8月はもはや海のシーズンではないのかもしれない。見渡す限りの海と空、人は一人だけ、南の島の夏の果てを感じた瞬間であった。
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