2013年4月7日日曜日

〔今週号の表紙〕 第311号 鉄道

今週号の表紙〕 
第311号 鉄道

西原天気



2006年春のことです。東京・神田須田町、万世橋近くにあった「交通博物館」がさいたま市に移設されるというので、出かけました。もとは「鉄道博物館」と呼ばれていただけに(1948年に改称)、鉄道関係の展示がメインです。

(行き交う人の服装が冬みたいなのはこの日が3月13日で、まだ肌寒かったのでしょう)

鉄道とは文字どおり「鉄」なのですね。線路が、というだけでなく。それが体感できました。くわえるに「煉瓦」。鉄道の歴史は、鉄と煉瓦。そう感じました。

さいたま市の「鉄道博物館」も、いつかは行ってみたいものです。


ところで、鉄道が人類にもたらした新しい体験、新しい視座のことは、もっと取り上げられていいと思います。その意味で、橋本直さんの「俳句の自然 子規への遡行」第5回は重要です。
(…)鉄道網は、自分の生活圏を越えて長距離移動をすることで自動的に身を風景の内部から切り離す役割を果たし、さらに車窓というフレームを通してパノラマ的に連続して展開する風景を乗客にもたらすという意味で、先のパノラマ館の仕組みによく似た装置ともいえる。(…)全通した東海道線は、視野におさまる世界をパノラマ化し、その車窓から見える風景を乗客と切り離す装置でもあるだろう。



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