樋口由紀子
上燗屋ヘィヘィヘィと逆らはず
西田當百 (にしだ・とうひゃく) 1871~1944
※「ヘィヘィヘィ」は踊り字2つの表記。
大正二年、「番傘」創刊号の巻頭の第一句である。大阪法善寺横丁の正弁円吾亭前に句碑となって現存している。
「上燗屋」とは上々に燗をした酒を呑ませるところ、一杯飲み屋である。そこにはいろいろな客が集まる。愚痴を言う人、自慢する人、政治を批判する人、それらの客に対して、決して、「逆らはず」、何を言われても顔色を変えず、もちろん自分の意見などは言わず、「ヘィヘィヘィ」と相槌を打つ。「ヘィヘィヘィ」がすべてわかっている。
「當百」は天保銭のことで、100文が80文の価値しかなく、すこし足りない人間の意だそうで、そのように称していた。西田當百は岸本水府、木村半文銭などと番傘川柳社を設立。水府の師である。(「番傘」創刊号 1913年刊)収録。
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この句、酔っ払いを主人公とする上方落語では、枕としてちょくちょく登場しました。今でも使う落語家がいるのかな?
返信削除ところで作者名が、「當白」となっていますが、「當百」ではないでしょうか?手元に新葉館出版「西田當百の川柳と金言」というタイトルの本がありますので、多分「當百」だと思うのですが…。
あっ、ほんとだ。
返信削除百回記念だから百を使ったはずなのに。
こんな初歩的ミスをするなんて・・・。
西田當百です。
すいません、訂正お願いします。
了解です。
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