2013年5月4日土曜日

●週刊俳句・創刊6周年記念誌上句会 投句一覧

週刊俳句
創刊6周年記念誌上句会
投句一覧

たくさんの皆様に御参加いただきました。誠にありがとうございます。


以下に【選句要綱】および【投句一覧】を掲載させていただきます。

【選句要綱】

10句選でお願いいたします。

■選と選評はメールにて。天気 tenki.saibara@gmail.com まで。
※ワープロソフト文書等の添付ではなく、メール書面で結構です。

■期限:2013年5月10日(金)24:00

■誠に恐れ入りますが、選とコメントは統一書式(以下説明)にて頂戴いたしたく存じます。

〔選とコメントの書式〕

×××××××××××  ※選んだ句をコピペ
○俳号       「まる」+俳号
■……………………(俳号) 「しかく」+短評・コメント。俳号を( )で

選外の句へのコメントは不要です。
※披講の際、当該記事のコメント欄に、選外句へのコメントを含め、ご自由にどうぞ。

文頭のアキやインデントはとらず、改行+ベタ打ちでお願い申し上げます。
選に付していただいた俳号を、作者発表の際の御署名といたします。


【投句一覧】 26名様御参加


【六】

さへづりて六角鉛筆一ダース
一針の四翅六角の蜂の巣へ
火事跡の六波羅様を歩きけり
花菜漬六平直政風寮母
汽笛となつて六甲に夏が来る
畦を焼く六等身の人ばかり
行く春の六弦に届かない指
四六の十テストの後の老母晴晴
宿六と甚六ならび鯉のぼり
春あけぼの六方踏みて去りゆくもの
風光る六角橋商店街
木の芽雨ちくちく育つ第六感
問六の答えは白いチューリップ
六つ切りのパンの一切れかぎろへる
六月の花嫁と決め出刃を研ぐ
六月の死者のひとりは若き故
六月の腹の具合を星に聞く
六月やあはれあはれと水を掻き
六弦の合はぬが苦なり藤の花
六限を学食に待つ春セーター
六甲のふところ深く山つつじ
六歳で人形の髪洗ひたくて
六周年迎え栄螺の焼け具合
六人の武者震いかな熱帯魚
六道の辻から吹くよ若葉風
贅六が築きし春のバリケード

【法】

はつなつになる方法がひとつある
メーデーや法華太鼓の列もあり
リラ冷えの夜の法律事務所かな
泳法のやぶれかぶれのいやはやし
遠近法はみ出し夏の子となりぬ
夏の夜になりきる法善寺横町も
花過ぎの礼法室に靴溢れ
顎あげて紅や西日も魔法かな
肩の位置決まらぬ打球法然忌
枯菊が文法どほり枯れゐたり
春闌けて顔の大きな法律家
少年のあごに魔法の桜もち
少年僧をみなを前に作法かむ
聖五月窓高くある法学部
田螺鳴く腹のふくらむ呼吸法
法悦の早々極み子規
法王庁殺意のごとく百合香り
法科出て護国神社の桜守
法然の遠流を囲む青葉潮
法被着るコンビナートのうかれ猫
法面の除染してますすみれ草
法螺吹が法螺吹いてゐる春の昼
法律に狩られて猪は逃げちゃった
法蓮草ポパイオリーブ老いるとも
末法の世より蜥蜴の嘘眠り
鶯や法テラスへの電話メモ

【全】

ああ藤の全貌が吹かれている
ウルトラマン大全目刺かじりかけ
またひとつ全きくらげながれゆく
遠くまで全集のなき日本地図
腰椎の全からざる花の後
春光や全校生のメイポール
春愁の全行程を終了す
真夏の夜の夢ムーンウォークは全力で
神学の全貌を湯豆腐に見き
神学大全時計の針が丸っこい
全コース膝落としたるプールかな
全教室の映るモニター若葉冷
全校で生徒は五人しやぼん玉
全国のみゆき通りに風薫る
全焼の市民会館秋の暮れ
全身のバネ一丸にボート漕ぐ
全身の透けるまで瀧仰ぎけり
全店の灯りが消えて草萌ゆる
全裸磔刑つまさきに火口触れ
着衣のごと見ゆる男は全裸かな
藤房に全能の神下りてきし
入梅や二組全員次々後転
麦秋や全て通じし自動車道
八十八夜全権は妻にあり
万緑や恐い夢は全くみない
麗らかや西部講堂全闘委

【書】

Tシャツを脱ぎてふたりの書生かな
しやつくりの響く古書店春の昼
へびいちご白書色褪せたる晩夏
瓜を蒔く焚書の話などしつつ
下書きの祝ひのことば豆の花
花冷や書棚に掛ける大梯子
教科書の燕は卵抱き始む
古書店の活字横切る守宮かな
古書店の憂ひ菜飯を食ふてより
子兎を握り書物の中に立つ
春陰の書き損じ否打ち損じ
書くという行為が叩くキーボード
書ばかり読んで阿呆に春の雷
書を丸め未来を覗く一年生
書架の奥は紙魚の栖の小銀河
書記長が名前を秘して逃げる夏
書簏とはしよろくと読みて冬の朝
図書室にプールの声の届きたる
全くの子と言う蝗横向く牛
鳥帰る教科書で見た島の方
凸の書き順凹の書き順さくら散る
虹色の雨となりたる夏書かな
白蓮のたっぷり錆びて書庫の奥
曝書して当て字だらけの世界地図
万作や線量計を書き留める
野遊や終わらせたくて大きく書く

【雑詠】

いもうとのはつなつをこぼれてゐたる
トライアスロンの走るともなく泳ぐともなく
花は葉にたっぷり筆へ含ませて
荷風忌やフラットシューズ履かぬ主義
去年今年張形を置く枕がみ
砂浜の小さき靴鳥雲に入る
細く高く遠く賛美歌夏の山
山査子の花三粒の睡眠薬
残花余花バタコ飛ばしたらあかんで
糸もつれ人もつれ合い春雷抱く
室の花六法全書置かれある
蛇二匹穴を出でしか呪わうか
春愁やばらしてみれば発条ひとつ
人を焼く仕事と畦を焼く仕事
人間の魚になりゆく薄暑かな
人知れず微笑んでいるか六月
水着に始まり水着に終る雑誌かな
怠惰なる紙魚は六法全書食む
昼顔の夜へ呑まれてゆくところ
鉄線花上履き空に向けて干す
白々と爪の半月春逝けり
髪洗ふ石鹸の香や裏道に
未知数と答えを返す藤の花
旅に出て月の裏まで夏の国
六法全書とは冬眠によきところ
六法全書投げてゴキブリ仕留めけり

以上

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