樋口由紀子
徘徊と言うな宇宙を散歩中
野沢省悟 (のざわ・しょうご) 1953~
徘徊を辞書で引くと「どことなく歩きまわること。ぶらつくこと」とある。しかし、実際に使われるときは否定的な印象が浮かびがちである。
徘徊をつい短絡的な物の見方をしている自分に気づいた。どことなく歩きまわっている姿を余裕のある目でみていなかった。
「宇宙を散歩中」、そうなのだと思うと気持ちが明るくなる。当事者にとってはきれいごとですまされない場合もあるだろうが、徘徊を画一的ではなく、そういうまなざしを提示することも物を書く人の役割なのだと思う。遠からず、私も「宇宙を散歩中」になるのだろう。〈アレソコニコレソレアレガアルハズヨ〉〈認知して確かに認知し認知蝶〉 川柳カード6号(2014年7月刊)収録。
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