【柳誌拝読】
『Senryu So』第6号/終刊号(2014年秋)
西原天気
同人3氏(石川街子、妹尾凛、八上桐子)の作品に、終刊号は柳本々々氏をゲストに迎えている。
A6判(105×148mm)、てのひらサイズ。
広げるとA3判。表裏ともにカラー。
返送されてき来た手紙から雪が舞う 石川街子
葬送のからだを包むシャボン玉 妹尾凛
一本のみじかい紐になる真昼 八上桐子
詩的成分の濃い句においては、現代川柳と俳句は、かなり近い感じになるという印象。
ゲスト作品からいくつか。
句読点煮込んだよるにすこし浮く 柳本々々
信号でめがねをはずすぬるい虹 同
ねえ、夢で、醤油借りたの俺ですか? 同
〈語のはたらき〉という点で刺激的な句群。
さらに八上桐子「からだから」の身体モチーフに惹かれた。湿るでも乾くでもない、不思議な質感。
ねむたげにオカリナの口欠けている 八上桐子
くちびるへ手鏡の海かたむける 同
瞳孔にひしめきあっている檸檬 同
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≫柳本々々:顔パンチされる機関車トーマス 柳誌『Senryu So』から湊圭史の一句
柳本々々さんがこの記事について書いてくださっています。
返信削除≫「川柳における人体の不思議展・あとがき」
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