相子智恵
直立の八月またも来りけり 小島 健
自注現代俳句シリーズ12期(1)『小島健集』(2016.07 俳人協会)より
今年も八月が始まった。〈直立〉が重い。
本書は自注句集で、一句ごとに作者による解説が付いている。自注句集は、一句と注釈とが面白い取り合わせになっていて読ませるものもあるが、正直、俳句だけを味わっていた方がよかったと思うこともしばしばだ。
本書は作者がその難しさを理解し、苦心しながら書いており、長いものは三行使って書かれているのに、注釈を書きたくない句に関しては、ひとことで終わったりしている。
掲句もそういう句なのだろう。ひとこと「八月への思い。」だけで終わっている。何かを解説しているようで具体的には何も言っていない。この鑑賞も、くどくど書かずに作者のひとことを紹介するだけでよい気がしてきたので、これで終わることにする。
●
0 件のコメント:
コメントを投稿