【俳誌拝読】
『奎』第5号(2018年3月12日)1/2
A5判・本文74頁。代表:小池康生、編集長:仮屋賢一。巻頭近くに座談会「若手俳人の動向を見渡す・後編」(ゲスト:黒岩徳将)。
以下、同人諸氏作品より1句ずつ。
船室の窓は小さく鳥雲に 小池康生
人日の借りつぱなしのペン便利 仮屋賢一
流れざる小石のありて冬の川 野住朋可
耳たぶの豊かに垂れて水温し 安岡麻佑
なんとなくだるいみかんにたどりつく 茜﨑楓歌
どんと置く鶯餅に夕日射す 安藤翔
オムレツとなる卵つるりと春浅し 大元寿馬
啓蟄のそろそろ終わる野球拳 小倉喜郎
台車押す一重椿の森のなか 尾野会厘
紅梅の枝鶏卵を貫けり 金高晴人
春の鴨数ふる川の水薄し 寒天
あした穴を出ようとおもう熊であった 木田智美
春日傘人を呑み込むごと開く 桐木知実
冬草の斜めが当たる膝頭 クズウジュンイチ
春近しちくま文庫の人寝さう くらげを
立春や瓶いつぱいの角砂糖 栗田歩
(つづく)
(西原天気・記)
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