200円の悪魔
おおさわほてる
京都の梅雨も終盤に差し掛かったある日、ホテイアオイが売られていた。200円ならまぁいいかな、とメダカの鉢に放り込んだら、あっという間に水面を覆ってしまった。
いつの間にか花が咲いている。綺麗な薄紫。花弁は六枚。そのうちの一枚は大きく上に向いている。真ん中に黄色の斑紋があり、なんだかエロティック。「へー!こんな綺麗な花が咲くんや!」と嬉しくなった。
翌朝、なんと、花が水中に突っ込んでいる!
調べてみると、ホテイアオイの花は、茎を曲げ水中へ。そのまま水の中で実を結び、炸裂して種をばら撒くらしい。繁殖力が強く、「青い悪魔」と呼ばれているとか!
首を曲げた花が、水の中でにんまり笑っている気がして、思わず覗き込んでしまった。
200円のくせに、恐ろしい生き物だったのだ。
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