2019年7月4日木曜日

【俳誌拝読】『鏡』第32号

【俳誌拝読】
『鏡』第32号(2019年7月1日)


A5判、本文44ページ。発行人・編集人:寺澤一雄。

同人諸氏の俳句作品より。

夜は五月の差し交はす枝のつや  佐藤文香

蘭鋳と別れ人とも別れけり  大上朝美

古着屋に新たな古着夏きざす  井松悦子

火蛾の来て玄米パンを甘くする  倉田有希

母鹿のこゑ金の螺子巻くやうな  笹木くろえ

砂鉄立つ十連休の終ひの日  谷雅子

はつ夏のウクレレは木漏日のやうに  佐川盟子

草藤のそよぐ水辺をそよぐ人  羽多野令

欄干の深傷負ひたる春連夜  八田夕刈

そうめんの中のピンクや白い家  手嶋崖元

加工してあげる写真やチューリップ  東直子

翌朝のカレーのやうな春のひと  三島ゆかり

春陰のスーツノーネクタイ裸足  村井康司

蒲公英の絮のどれもがどこか欠け  森宮保子

金戻るコインロッカー百千鳥  寺澤一雄

(西原天気・記)

1 件のコメント:

  1. 選句ありがとうございます。
    句会に新しい方も見えて、みんな頑張っております。
    目を見張るような句も出ます。
    たまにはお出まし下さい。、

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