おんつぼ02
ラウンジ・リザーズ The Lounge Lizards
さいばら天気
おんつぼ=音楽のツボ
ラウンジ・リザーズのリーダーでサックス奏者のジョン・ルーリーは、ジム・ジャームッシュ監督の出世作「ストレンジャー・ザン・パラダイス」(1984年)に主演していましたから、「この長い顔の男、見たことがある」と思い出す人も多いでしょう。
このバンドでもうひとり注目したいのは、アート・リンゼイというギタリスト。音程とかチューニングなど無縁の、精神を病んだような音を出します。なつかしい話をすれば、1970年代後半ニューヨークのポストパンクシーン、DNAというバンドでキリキリギコギコ鳴らしていました。この頃は、なんか、いろいろなところでムチャをやる人がたくさんいて、おもしろかったんですよね。
ラウンジ・リザーズ(レコードデビュー1981年)もまたポストパンクの脈絡にあるバンドと言っていいと思います。「フェイク・ジャズ」という触れ込み。つまり偽ジャズ。
説明するのがむずかしい音ですが、リズムがところどころ亞脱臼している感じ。音色は無機質ですが、蜥蜴だけあって妙なヌメリがあります。たしかに「ニセモノ感」の充満した音なのですが、先入観として知っているジャズ的な音よりも、ときとしてクールで、同時に熱い。ちょっと不思議な音です。
イカサマ度 ★★★★★
ヌメヌメ度 ★★★★
〔アルバム〕 The Lounge Lizards; The Lounge Lizards
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