2011年6月4日土曜日

●週刊俳句・第214号を読む 宮本佳世乃

週刊俳句・第214号を読む

宮本佳世乃


少数派かもしれませんが、私は週刊俳句の表紙と後記が大好きで、毎週そこから読みはじめます。

今回の表紙は、梅雨に入ったこの時期にぴったりです。雨とその背後にうつるぼんやりした集合住宅めいたもの、そして青っぽい何か。濃いめの赤いフォントが魅力的。雨の日の湿度や、気分というよりも、雨であるという事実だけを伝えているように思いました。

ウラハイでみる写真とは一味違って、文字色の効果があります。同記事の正立と倒立に関する野口裕さんのコメント、わかりやすくて楽しめました。



今井聖さんの「奇人怪人俳人」は、いつもエネルギーたっぷりです。生きざまへの筆致や選ばれる俳句を読むと、その俳人への愛情を感じます。

今号では看護師であり俳人でもある佐々木ゆき子さんについて取り上げられています。60歳から15年間医療ボランティアをした横浜の寿町での俳句を読むと、腹を据えて、そこに住む人たちと浸透しながら生きている姿が目に浮かびます。医療の対象には患者という言葉がすぐに出てきますが、彼女らは患者をみてきたのではなく、病気や訴えに関わらず、目の前にある事実をみてきたのではないかと思います。生活のレベルで何でも見てきた看護師は、そんじょそこらのことではたじろぎません。ダイナミックな30句が連なっています。



今回は豆の木宛にラブレターをいただきました。藤幹子さんからです。

ながい長い前置きに、とても気持ちが籠っていました。たぶんこしのさんは相当照れているんじゃないかと思います。

藤幹子さんの文章や言葉遣いは、熟成しています。ここちよいし、丁寧に目配りしてくださいました。ありがとうございます。ふじみきさんの豆の木誌の解体によって、なんだかお化粧していいお洋服を着させてもらった気分です。今度、ぜひ句会をご一緒したいです!たぶん、みんなワクワクしているに違いありません。



そしてふわりとかまちよしろうさん。 たまにスーツなんて着て、雨にあたってしまったようにも見えて、くすり。 お元気そうで何よりです。


毎週の後記をよむとふっと気持ちがやわらぎます。なんだか、深夜にラジオを聴いているような気分です。つぎの日曜日までの時間が、またつづいています。



あっ、忘れてました。6月11日の現俳協青年部のシンポシオンの告知を載せてもらってます。迷っている方、豪華ゲストの話を間近できけるチャンスです。週刊俳句さま、広告を載せていただき、いつもありがとうございます。

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