〔今週号の表紙〕
第255号 壁
笠井亞子
最近ますます「経年変化が現れているもの」を好ましく思う。
歳のせいといわれればそれまでだが、どうして、若いころから好きだったのである。サビの色合いや枯葉の刻々変色して行く様子、雨ざらしになった木の風合いなど。コンクリートの建物だって、ひび割れ変色してしまったたたずまいの方に惹かれる。
写真の建物は、清澄あたりを散歩中に遭遇した、ちょっとアールデコ的装飾の付いたビル。いかにも人の手が「つなぎました」という感じの電線と、ひび割れを埋めたような線、窓枠や装飾レリーフなどのいろいろが、古びたコンクリの肌理にのって、なんだか絶妙なバランスではありますまいか? メーターを乗せた木の板がまたいい味なんだなあ。
●
週俳ではトップ写真を募集しています。詳細は≫こちら
0 件のコメント:
コメントを投稿