2014年12月20日土曜日

【みみず・ぶっくす07】 みみずのてがみ 小津夜景

【みみず・ぶっくす07】 
みみずのてがみ 小津夜景


小津夜景
【みみず・ぶっくす 07】みみずのてがみ

ほんとうは【みすず・ぶっくす】を
買いに行ったのですが、
なぜか【みみず・ぶっくす】を買ってしまい、
しかもけっこう長い間
自分がうっかり【みみず・ぶっくす】を
買っていたことに気づかなくて。

というのもこの家に【みすず・ぶっくす】は
もともと一冊もなかったし、
あの【みすず】書房の【ぶっくす】シリーズだもの
みみずの研究書くらい出てるよね、と思ったから。

まさか勘違いだったとは。

でも最近は【みみず・ぶっくす】も
割と面白いことが少しずつわかってきました。
みみず、だけあって、かなりロハスな本です。
お経みたいに、宇宙を謳ったりもします。

大地の詩句と
彼らはよばれ
はいずりまわり
糞をする。

大地の詩句が
糞をするたび
いのちがそだち
歌となる。

こんなうたとか。
この本をよんでわかったのは、
みみず les vers が定型詩 le versと
同じ綴りだってこと。

定型詩って
そんな自由で、のたくねって、
くそまみれなものだったのか!
やばい、なんてすばらしいんだって
すごい手紙をもらった気分



いまだ目を開かざるもの文字と虹
くるぶしに冬の金魚のしづけさが
鳩尾はそぞろに詩句をそらんずる
欠伸して指のイデアと出逢ひしかな
つまさきを濡らしやさしい夜の糊
かほを撫でしぼんだ星の膨らみぬ
耳たぶはとぶぬばたまを見んとして
うら声のうらより皮を剝いでゆく
むらぎもは旅ごろも着てそのままに
凩をきく手のひとつきりとなる

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