旅の余白に、
春の窓辺が。 李賀&小津夜景
【みみず・ぶっくす09】
旅の余白に、
春の窓辺が。 李賀&小津夜景
上楼迎春新春帰
楼の人いづれの春を迎へたる
暗黄著柳宮漏遅
漏刻や春着の袂ゆるやかに
薄薄淡靄弄野姿
初靄を恋ひつつ見よや天の野を
寒緑幽風生短絲
初風は解かれ昔のままの身よ
錦牀暁臥玉肌冷
夜半いくつ越えて重なる舟の春
露瞼未開対朝瞑
わが春に惜しむものふる瞼かな
官街柳帯不堪折
ふところの初枝をひそと投函す
早晩菖蒲勝綰結
おぼえなき結び目ばかり福引に
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