〔週末俳句〕
今更のスマホ・デビュー
仲 寒蟬
今年のゴールデン・ウィークにスマホ・デビューを果たした。今更の、である。電話とメールだけならガラ携で充分と考えてこれまでやって来た。インターネットはiPadで見られるし、FBには余りのめり込みたくないから家でPCを前にしてしかやらないと決めていた。だからスマホにする理由は何一つないと。
それが急に変節したのは次男の結婚式の写真を撮るのにスマホの画像の方が美しいだろうと判断したからだった。ところが使い始めてみると、嵩張るiPadを持ち歩かなくてもインターネットは参照できるわ、グーグル・マップで吟行中の移動もスムーズにできるわでいいことづくめ。
一番重宝したのはラインである。若い人からすればそれこそ何を今更、であろうが。週末は学会に出かけることの多い筆者、先週は札幌で開催された第20回日本医療マネジメント学会に出席した。スタッフ4名と総勢5名での参加。各自発表があり、別の会場で好きな演題を聴く。場合によっては学会場を抜け出してお茶したり観光もする。そんな時にその場限りのライン・グループを作っておくと「今この会場で面白いプログラムやってるよ」とか「ここのケーキ美味しい」「昼食どうする?」とかの連絡がすぐに取れて便利なことこの上ない。
面白かったのは学会の最中にとある俳人友達から俳句が送られてきたこと。こちらも普段なら平日にヒマしてることはめったにないが、そこは学会中なのでこれ幸いと応じていると連句を仕掛けてきた。筆者が戯れに送った一句に脇句を付けてきたのだ。ほほー、と感心していると第三をつけろと言う。こちらは連句のルールなどろくに知らないし、依田明倫さんが元気な頃に佐久で牙城たちと歌仙を巻いたのが唯一の経験。それでも「次は月の句をお願いします」「地名はもういくつか出てきたからダメ」とかいろいろ指南されながら、何とか学会中に半歌仙に仕立て上げた。
これ、俳句でも利用できるかなあ。誰から送られてきたか分かるので直接句会という訳にはいくまいが、ネット句会みたく誰かがホスト役になれば可能かも。大勢ではなく、それこそ4-5名で旅行した時に旅先でササっと句会できるかもしれない。しかし、とも思う。やはり同じ風景を見て句会するなら膝突き合わせて、短冊にペンで俳句を書いて清記して・・・という句会本来のあり方の方がいい。スマホなんて持っていても所詮はアナログ世代なのだ。
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