樋口由紀子
424回混ぜて変になる
飯島章友 (いいじま・あきとも) 1971~
「納豆は百回以上混ぜる」と聞いたことがある。確かに混ぜれば混ぜるほど美味しくなりそうである。しかし、424回混ぜて変になるとはどういうことなのか。「変になる」のは混ぜたモノなのか、混ぜたヒトなのか。数え続けた頭も混ぜ続けた腕も変になりそうである。
「424(よんひゃくにじゅうよんかい)」はこれだけで十一文字。この数字に意味があるとは思えない。限りなく嘘っぽい数字である。しかし、その嘘っぽい数字が一句に仕掛けを作っている。意外な角度から「変になる」に焦点を当てた。「おかじょうき」(2022年刊)収録。
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