2014年7月17日木曜日

【俳誌拝読】『鏡』第13号(2014年7月1日)を読む

【俳誌拝読】
『鏡』第13号(2014年7月1日)を読む

西原天気


A5判、本文48頁。発行人:寺澤一雄。


春満月少年は首締めあへり  遠山陽子

交みをる上下の蟇の色違ふ  寺澤一雄

たぬき蕎麦のたぬきのところ春惜しむ  谷 雅子

冷房に背伸びして背が高くなる  佐藤文香

一面と見えてまばらに蓮華草  森宮保子

電磁波は体に悪し青簾  中村 裕

藤房のはじまるところ誰も知らず  笹木くろえ

傷口の塞がることも夜の枇杷  遠藤 治

五月闇ぼんやり白い花ばかり  大上朝美

啓蟄の月のまはりに雲ゆたか  越智友亮

紫陽花のなかへ戻つてゆくかたち  羽田野 令

夜は花の泰山木に凭れゐる  八田夕刈

ひとりでにパソコン眠る梅雨晴間  東 直子

川越に成城石井ありて春  村井康司





余談。俳誌ではめずらしいことではないが、「ふつう印刷には使わない字(ウソの字)」が混入(句集だと校正・校閲が入るのでたいていは「正字」に直る)。※旧字・新字ということではまったくない。為念。

噛→嚙 ×→噌 ×→餅 蝉→蟬 剥→剝

(他にもあるかも)

以前はパソコン(ワープロ)で「ウソの字」ばかり出たが、このところ急速に改善され、正しい字が出るようになっている(上記の右側)。

正しい活字じゃなきゃダメと主張するのではない(厳格主義ではまったくない)が、ちょっと気をつけると、かなり防げる。

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