
八上桐子
向日葵の背中も見てやって下さい 海堀酔月
花の中でも向日葵は、大きさ、姿かたちから擬人化されやすい。顔に見立てられる花の正面から見ると、明るく生命力に満ちあふれている。「背中も見てやって下さい」は、後ろから見ても輝かしいではない。大きな頭を支える首は折れかかり、背中は心細げにも見える。太陽に向かって堂々と咲く向日葵の、あの背中もふくめた「生」を感じ取ってほしいと言うのだろうか。
正解だと思う 蒟蒻の固さ
足に合わない靴が一ばん美しい
骨は拾うな 煙の方がぼくなんだ
世間的な常識や正しさをずらしたところに、作者が発見する美や真実。一句、一句につい立ち止まってしまう。
『両忘』(2003年/現代川柳点鐘の会)
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